原発被災地の真実// ~The Silence of the Lambs~
2012・03
<< 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13/14/15/16/17/18/19/20/21/22/23/24/25/26/27/28/29/30/31/ >>
--/--/-- --:--
スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2012/03/27 15:16
南相馬で孤立死か?

※3月28日、記事追加


旧避難準備区域に母子遺体=死後2~3週間、孤立死か-福島・南相馬

 福島県南相馬市原町区の住宅で2月下旬、母親(69)と長男(47)の遺体が見つかっていたことが27日、分かった。市によると、いずれも死後2~3週間経過していた。県警南相馬署は事件や自殺の可能性はないとみており、孤立死したとみられる。現場は東京電力福島第1原発事故の影響で昨年9月まで緊急時避難準備区域に指定されていた。
 近所の住民らによると、死亡した母子は2人暮らしで、商店街にある3階建ての店舗兼住宅に住んでいた。3~4年前に閉店し、近所付き合いはあまりなかったという。訪れた次男が2人の遺体を発見。長男はこたつの中で死亡し、約1週間後に母親も亡くなったとみられるという。(2012/03/27-13:11)



南相馬では昨年、義捐金や東電仮払金を収入とみなし、一時的に458世帯の「生活保護の打ち切り」が行われていた。
これも異常な市政を見せる南相馬らしい出来事だった。
その後、見直しが行われたが、この家族は漏れていなかったのだろうか?
黒い粉だのマラソンだのと騒いでいる中で、人はあっけなく死んで行く。



南相馬市の処分取り消し 生活保護打ち切りで
2011.12.23 18:38
 福島県南相馬市で、東日本大震災の義援金や福島第1原発事故による東京電力からの仮払い補償金を収入とみなされ、被災者の生活保護打ち切りが相次いだ問題で、県は23日までに、市の打ち切り処分の取り消しを求めた住民3人の審査請求を認め、処分取り消しの裁決をした。

 市は「速やかに対応したい。他にも同様の住民がいないか確認する」としており、3人には処分後に受け取るはずだった分を、さかのぼって支給する方針。

 担当弁護士によると、裁決は12月21日付。市の調査に不備があり、生活実態を十分に把握していなかったなどとしている。義援金などが収入に当たるかどうかについては明確な判断はしていないという。

 日弁連の調査では、青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県で、458世帯が生活保護を止められたことが判明。うち約半数が南相馬市の被災者だった。



(追記)
亡くなった家族は、昨夏に民生委員から「不審なけががある」として虐待の疑いの通報を受けていたそうだ。
市からの支援も対象外だったそうだ。
死因は病死である。長男がこたつで死亡後、放置した母親も同じく病死?
辻褄が合わない。



福島第1原発:旧避難準備区域で親子が孤立死 南相馬

 福島第1原発事故の緊急時避難準備区域(昨年9月末解除)に指定されていた福島県南相馬市原町区の住宅で2月下旬ごろ、この家に住む女性(69)と長男(47)が相次いで死亡していたことが分かった。発見まで約2~3週間周囲に気付かれず、病気で「孤立死」したとみられる。

 市などによると、住宅は市の中心街にある。親子は自宅1階で商店を経営していたが、数年前から閉店していた。緊急時避難準備区域の指定中も、周辺には居住している人が多くいたという。通報を受けた警察官が、2人が死亡しているのを発見した。

 市は昨年8月、この女性について担当の民生委員から「不審なけががある」として虐待の疑いの通報を受け、県警と共に訪問。当時は2人とも通常の生活を送り外出も可能だったため、「問題なし」と判断した。その後、「仙台の次男宅へ避難する」との情報が寄せられていたという。

 市の担当者は「69歳という年齢や長男と暮らしていることから、要支援の対象にはなっていなかった」と話している。【泉谷由梨子】



(3月28日、追加)

福島・南相馬の孤立死:親子持病、交通手段なく 医療環境悪化一因か

 福島第1原発事故に伴い昨年9月まで緊急時避難準備区域だった福島県南相馬市原町区の住宅で「孤立死」したとみられる女性(69)と長男(47)が、いずれも別々の持病で入院歴があったことが分かった。東日本大震災と事故のため同市では、避難区域内の病院が休止したり医療従事者が避難したりして医療環境が悪化しており、母子の孤立死の一因になった可能性もある

 市や近所の人の話などによると、民生委員から連絡を受けた次男が仙台市から駆けつけた2月26日に見つかった。先に死亡したとみられる長男がこたつに入った状態で、女性が傍らで倒れ死亡していた。母子は乗用車を持たず、長男が食事の世話をしていたらしい。

 女性は持病のため市内の病院に数年前入院、退院後はバスで通っていた。通院先は事故に伴い休診、昨夏の再開後も医師不足などから診療日と時間を制限している。昨年8月ごろ女性は次男宅に一時避難し、同12月中旬に南相馬市に戻った。だがバスなどの通院手段に事欠き、事故前のような診療を受けられなかったとみられ、同様の理由で長男の病状も悪化した恐れがある。

 今年1月末~2月初旬には、買い物に出る女性の姿が近所で時々目撃されていた。近くの自営業の男性は「明るく元気だったのに、帰宅後はかなりやせて、まるで別人のようだった。原発事故の弊害だと思う」と憤った。【泉谷由梨子、高橋秀郎】

毎日新聞 2012年3月28日 東京朝刊



南相馬市は、「WBC検査へ副市長の横やり」や、「学校給食の放射能検査を拒否」した事でも有名だが、実は病院人事にも口を挟んでいた。
浜通りの行政は狂っていると良く聞くが、実害が出てきているようだ。
まさか、この事件の公表が遅れた事にも関与しているのだろうか?


cc.jpg

スポンサーサイト

南相馬 | comment(0) |


2012/03/27 14:16
瓦礫の受け入れ問題

「汚染がれき」と「非汚染がれき」で扱いは異なってきますし、感情論が先行している風潮があります。
個人的な見解は「がれき云々以前に汚染地帯での焼却行為そのものがNG。それは同時に都市機能が停止する事を意味する。もちろん非汚染地帯への瓦礫受け入れは論外。」です。

他サイト様からも幾つか情報を転載させていただきます。各自で御判断ください。

(動画追加)



木下黄太さんのブログより転載

がれきの受け入れに反対する理由
神戸大学大学院・山内知也教授

①放射能を拡散・移動させない

放射能の管理については拡散させないこと、飛散させないことが基本的に重要である。 したがって、現在瓦礫のある地域から他の地域に放射能で汚染された瓦礫を移動させるべきではない。

②復旧・復興のための予算は被災地が使う。

瓦礫を処理する仮定で被災した地元に雇用と街づくりを進める必要がある。大阪や他の被災地でない地域で瓦礫を処理するにしても予算が必要となる。復旧・復興のための予算は地元で使うべきであり、瓦礫を処理するバグ・フィルターのみならず、ヘパ・フィルター等のセシウム遮断性に優れた機能をもった施設を地元に建設することが望ましい。その建設において、また運用において雇用 を確保する手段とするべきである。焼却施設に発電設備を備えると、瓦礫の処理が終わっても、東 北の豊かな森林の間伐材などを利用した、バイオタイプの発電所が造れることになる。復旧・復興 を焦る必要はない、時間をかけて、美しい東北を確実に取り戻すことが重要である。

③放射能が焼却施設に濃縮し、外部にも飛散する。

焼却施設からのセシウムの放出に関して計測時間や試料の採取時間が短すぎる結果、検出限界以下 という報告が出ているが、ここには大きな問題がある。ゴミ焼却施設からの排は時間当たりにして 数万立方メートルから数十万立方メートルにもなる。放射能管理区域からの排気中にはセシウム 137 だと立方メートル当たり 30Bq という基準があるが、この基準を守っても総量で非常に大きな量のセ シウムが外部に放出されることになる。検出限界が立方メートル当たり 0.1Bq だとしても、排気量 が大きいので相当量のセシウムが外部に出る。燃焼させるとセシウムは飛灰とともに飛び出し、施 設の低温部に集まる。施設内のセシウム濃度が高くなり、長時間の後には、管理区域として扱わなければならないようなレベルに到達すると見込まれる(関東地方の多くの焼却施設がこのような状 態になっている)。 バグフィルターがあっても内部の濃度がどんどん高くなるので外部に出る量も増 えることになる。これは短時間の燃焼の調査では評価できない。

④放出放射能量について

フィルターが 99.9%の除去能力があると仮定する。瓦礫を 100 トン処理するとし、瓦礫に 100Bq/kgのセシウムが含まれているとする。100 トンの瓦礫に含まれるセシウムは 10,000,000Bq である。99.9%除去できるとすれば、外部に出る量は 100,000Bq になるように思えるが、フィルターの通過前 面と通過後面のセシウム濃度の比率が 99.9 対 0.1 になっているのだとすれば、前面のセシウム濃度 がどんどん高くなっていく場合には話は単純ではなくなる。さらに多くのセシウムが放出されることになる。

⑤施設の汚染

放射能を利用する仕様になっていないゴミ焼却施設が汚染し、解体時に除染する必要性が出てくる が、それにどの程度の労力と予算が必要になるかについて考えられていない。

⑥低線量内部被曝の危険性は高い

低線量の内部被曝の危険性は、広島・長崎の調査にもとずいた国際放射線防護委員会のモデルでは 正しく理解できない。このことは旧ソ連諸国において確認されており、ベラルーシでは事故前の水準から40%増加している。スウェーデンで取り組まれた百万人を対象にした疫学調査では、セシウム 137 について平方メートル当たり 100kBq というレベルの地域で生活するとガンの発症率が 10%高くなることが示されている。これはセシウム 137 からの年間の外部被曝が 3.4mSv 程度であるような 汚染地帯であり、福島各地よりも低レベルである。このような最近の疫学調査はチェルノブイリの被害を受けた欧州各国では受け入れられているが、日本の放射線影響の専門家は非科学的だと決めつけるのみで事実を見ようとしていない。幸いにして汚染レベルが低かった関西地方を放射能から守ることは日本全体にとって重要である。



みんな楽しくHappy♡がいい♪さんのブログより転載。


「瓦礫の広域処理に疑義」 via 文化放送くにまるジャパン2012年3月14日書き起こし

今、3県のがれきの推定量というのは、大体2200万トン。
2200万トン、この数字を覚えておいて下さい。
阪神淡路大震災の時のがれきが2000万トン。

この2000万トンの時に、もう、17年前ですが、
みんなで、それを引き受けたっていう記憶はないでしょう?
ないんですよ。
実はこれは3年間で、全部神戸市は処理しきっちゃったんです。

吉田:神戸市だけで?

二木:
うん、そう。
で、これは3年で、実質2年でやったんですけれども、どういうふうにしたかというとですね、

まず、コンクリート系の災害瓦礫と、木で出来た分を分けます。
で、コンクリート系のものを、神戸港の埋め立て。
液状化の基礎材料にしたんですよ。

で、材木、木で出来た分は焼却処分をして、
この焼却処分をしたものを今度は、さらに残ったやつを埋め立てに使った。ということで、
3年で処理が終わっているんですよね。
2000万トンの処理が終わりました。

で、今度は2200万トンを野田総理政府は「とにかくみんなで負担をしてくれ」というふうに言っているんですが、
じゃあ、地元の人達はどういうふうに言っているのか?ということなんですが、

地元の人たちでいうと、例えばこれは陸前高田市の戸羽市長。
奥さんが亡くなった、戸羽市長。
戸羽市長が、何て言っているかというと、
「陸前高田の市内に瓦礫処理の施設を作れば、雇用も生まれるし、自分たちでも処理できるんだ」と。
「この事を、置かして下さいと県に相談したら、門前払いで断られた」と。

「現行の法律が無いので、いろいろと手続きがあるので、ムリです」というふうに言われたと。
で、戸羽市長は
「冗談じゃない」と、「1000年に一度なんだから、前例がないに決まっているじゃないか」と
「これは自分たちで処理をして、ここで雇用を生んで、実は護岸工事の基礎材に使いたいんだ」と。
「門前払いを食らいました」と。


今度は、これも岩手県なんですけれども、
岩泉町の伊達さんという町長がいるんですが、
「早く片付けなきゃいけないというけれども、これは被災のところから、背景に山があるのでまず山に運んで、
ここから片付けていけば、雇用が発生して地元にお金が落ちてくる」と。
「だから、今、再建する町からまず移せば、とにかく処理しなくても大丈夫だ」と。
「なぜ、税金を青天井に使って、全国に運び出す必要がどこにあるんだ」というのが町長の発言。

もう一人、私、先週、先々週ですかね、

野村:南三陸、じゃなくて?

二木:
南相馬の桜井市長もやっぱり、
「なんでそれを出さなきゃいかんのだ」と。
実はその瓦礫は、放射線に汚染されているのは別にして、これでとにかくあそこは津波を食らっていますんで、
「とにかく護岸工事をしたい」と。
で、「今、南相馬で出た災害瓦礫を、その護岸工事の基礎工事に使いたいんだ」と。

野村:防潮堤に使うっていうんですよね

二木:
防潮堤に使いたいんだと。18キロ使いたいと。
ところが、「南相馬の災害瓦礫では足りないので、三陸のところから持ってきたいんだ」と。

という事をやりたいという事で、県と国に言ったんだけれども、
「うちの所管じゃない」というふうに言われて、
「環境省、国土交通省、厚生労働省、総務省、どこに行ってもこの事は受け入れてくれない」と。
「今必要なのは、地元で使えるんだから、なんでそういうふうにしないのか?」っていうのが、
実は地元の声なんですよ。



原発震災廃棄物・広域処理問題さんのブログより転載

放射能はバグフィルターで除去できるか 2
 焼却炉の排気ガスは、冷却しないまま排出するとバグフィルターを燃やしてしまうほど高温らしい。


 さらにぎょっとする話が。津川敬著『教えて! ガス化溶融炉』(緑風出版)より、少し長いですが引用します。


**************************************


Q8 安全のためバグフィルター等に金がかかってもいいのでは
市長は「バグフィルターをつけるからダイオキシン対策は万全」といいます。各地でバグフィルターの取り付け工事をやっていますが、本当に万全なのですか。


扱いにくいバグフィルター
ことはそう簡単ではありません。まずバグフィルターに対する過度の期待が横行していることです。バグフィルター信仰と言っても過言ではないでしょう。バグフィルターはあくまで粉塵やばいじんの濾過装置であって、ダイオキシン除去装置ではありません。


まず構造的に濾過させる温度が高くできないため、オペレーターはその運転にかなりの神経を使います。焼却炉で800℃前後、溶融炉で1200℃前後という高温排ガスを一気に200℃以下に冷却する技術はまだ未成熟であり、温度が下がりきらねば濾布(ろふ)は焼損(高温で孔があくこと)してしまいます。温度にはタイムラグがあり、リアルタイムに管理することが困難だからです。また排ガス温度が低すぎても結露ができ、その水分で吹き込んだ消石灰が付着して目詰まりが起きます。中にはコンクリート状に固まってしまうケースもあるようです。


 バグフィルターがいかに扱いにくい装置か、あるメーカーのモデルプラントで一年間、実証実験をやった労働者が次のような証言をしていました。
「シュレッダーダスト(自動車の解体で最後に残る有害ごみ)が入るとバグフィルターが目詰まり起こすんだよね。僕らはバグにこびりついたダストを素手で叩き落としていた。それに冷却塔で180℃まで排ガス温度を落とすんだけど、300℃から下がらないこともある。そんな時、バグがイカレちまうんですよ。ま、バグの数が多いからどうってことはないんだけど」


 そうした事情からバグフィルター保護の目的でバイパス(直接排ガスを逃してしまう海路)を設けるケースが多いのですが、都道府県によってその仕様を禁じるところと、容認しているところとまちまちです。たとえば埼玉県は絶対に認めない方針をとっているといいます。
 もうひとつ、最近問題になっているのはメモリーエフェクト効果です。これはバグフィルターの汚れで、入口より出口のほうがダイオキシン類濃度が高いと言う現象を指すのですが、なぜそうなるかはよくわかっていません。


 いずれにせよ電気集じん機にくらべ相当に扱いにくいのがバグフィルターです。それは排ガスを通す速度と関係があって、電気集じん機を通る速度が一秒あたり一メートルに対し、バグフィルターの場合は一メートル通すのに一分かかるのです。
 電気集じん機は静電気の原理を応用したもので、ばいじんをイオン化させ、その粒子をマイナスの電極に吸着させるのですが、クーロン力(1アンペアの電流が一秒間に運ぶ電気量)が強いのでスピードがあっても捕集は可能なのです。


 しかしバグフィルターは吊るした毛布に空気を吹き付けるようなもので、排ガスの速度を早くすると圧力がかかって思わぬトラブルを起こすことがあります。また一か所に穴が開くと、集中して圧力がかかりますから損傷の連鎖反応が起きます。いずれにせよバグフィルターの寿命は「三十分から三年」といわれるほど排ガス温度や濾布の通過速度に左右されるのです。


2000年には神奈川県高座清掃施設組合の焼却炉でバグフィルターに穴が開いた事故があり、その原因を施行者の石川島播磨重工業(IHI)はこう推測しています。
「①流速のピーク時に粒径の大きなダストが濾布表面に衝突し、それが繰り返されて破孔に至る、②平均流速(ピーク時を含む)が設計値より早いため、粒径の小さなダストでも高いエネルギーを持ち、摩耗が進行して破孔に至る)」(事故報告書より)


 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が99年度からはじめた「都市ごみ焼却施設におけるバグフィルターに関する調査」によれば、10のトラブル項目のうち最も高かったのは「破損等濾布に関するもの」でした。同年度だけで濾布に穴が開くなどの事故が全国で27件もあったのです。
 調査は全国79の都市を対象とし、84%の高いアンケート結果が得られています。以下項目は「ダスト排出装置のトラブル」「払落し装置のトラブル」「腐食・摩耗」などとつづきます。
 その意味で2001年に起きた千葉県野田市のバグフィルター損傷事件は象徴的といえるでしょう。




濾布をケチった?大メーカー


 2001年4月8日、野田市(約12万人)の清掃工場(84年竣工、三菱重工業のストーカ炉・145トン)で約600本あるバグフィルターのうち、78本の濾布に穴が開いていたことが発見されました。
 同市は2000年に約10億円をかけ、それまでの電気集じん機をバグフィルターに交換するなどの改修工事を行い、同年七月から稼働をはじめました。ところが2001年3月16日に実施されたダイオキシン測定で、ばいじんが通常の約百倍出ていたことが判明しました。その事実を受け、四月初旬に炉を緊急停止して点検したところ、先のトラブルが発見されたのです。
 施行者である三菱重工業側の説明によると、排ガスを均一化して濾布に流す整流板という装置に欠陥があったとのことです。その結果、拡散されない排ガスが一部分に集中して濾布を破損させた、というのが結論でした。市民がそれを知ったのは新聞報道によってです。しかしなぜ整流板なる機構にトラブルが生じたのか、新聞は触れていません。


 5月に入って地元自治会が市に情報の公開を求めたところ、すでにその半月前に事故報告書は三菱重工業側から市に届いていました。市側も情報隠しをやっていたわけです。


 だが事故の原因はもう一つありました。三菱重工業が使った濾布がKという国内メーカーが作ったガラス繊維製品で、値段も安かったことがわかったのです。現在は一般的にテフロンとガラス繊維を混紡したテファイヤー(商標名)が使われていますが、これは世界的化学メーカー・デュポンの特許製品です。
 ガラス繊維は標準寸法(直径16センチ、長さ約3メートル)で一万三千円程度ですが、テファイヤーはその三倍です。しかもデュポン側はこのところ、さらなる値上げを言い出しているそうで、中小のバグフィルターメーカーは困惑しています。


 さらに九月に入って、今度は一号炉のバグフィルターに“不具合”が出てきました。濾布の一部に縫い目のほつれがあることが定期点検で発見されたのです。さすがの野田氏も地域住民の手前もあり、「業者から徹底した原因の究明がされない限り稼働させない」という強い姿勢を示して10月2日、工場の稼働を全面停止するに至りました。


 いずれにせよ“天下の重工”が結果として「安い濾布」を使ったことは間違いないのですが、このことから金をかけなければ他の清掃工場でも同じような懸念があることを意味しています。もっとも前出の神奈川高座清掃施設組合が入れたバグフィルターの濾布はテファイヤーだったそうで、「高い濾布」だから安心と言うわけでもなさそうです。


 ちなみに使用済みバグフィルターの処理がどこでも問題となっており、飛灰という特別管理廃棄物が付着しているので徹底分別して廃棄する必要があります。すなわちプラスチックくず、金属くず、付着ばいじんですが、前の二つは産廃扱いになります。しかし引き受けた業者が分別処理しているとは思えず、中には東京都のように焼却炉に放りこんで処理してしまうケースもあります。


※特別管理廃棄物
いわゆる有害廃棄物のことだが1991年に改正された廃棄物処理法で従来の一般廃棄物、産業廃棄物に加え、爆発性、毒性、感染性その他人の健康、また生活環境に被害をあたえるおそれのある性状を有するものとして政令で定められた廃棄物をこう呼ぶ。たとえば一般廃棄物の中ではばいじんがあり、産業廃棄物の中では廃油、廃酸、廃アルカリがある。感染性廃棄物も両方にまたがっており、その区分も微妙にちがっている。


**************************************


 バグフィルターの焼損を防ぐために、排ガスをそのまま排出するバイパスがある?
 これについて、詳しい人に聞いてみました。


・バイパスはある。使うことは、まれにある。焼却炉というのは公共団体の持ち物なので、バグフィルターとかオーバーホールなどは予算取りでやるわけです。バグフィルターみたいに、緊急性を要するものはある程度、予算は予備にとってある。年に一回の交換のところを、緊急でもう一回ぐらいできるように予算とっといてある。でも「今ヤバいからすぐ来て」っていうのも難しい。っていうか、かなり無理なんですよ、業者的に。「午前中にトラブル起きたから午後来て」っていうのはほぼ不可能。そういった場合はバイパスを開いて…ただそれは黙ってる。「今からバイパス開きますよ」と言うような話はしない。後になって「あれはどうだったんですか?」と聞かれれば、それは隠し立てすることはできないけれども。


・なのでバグフィルターでもサイクロンでもそうなんだけど、通常は集塵機能がついてるから、煙としてあがってるように見えるけど、ほとんどは水蒸気なんです。煙のように見えるけど実は水蒸気。でも、集塵系に問題が起きた時は、水蒸気だか煙だかわからないものがモクモクと出る場合はあります。


・でも、そういった場合は、緊急停止かけちゃうことが多いです。焼却炉の運転っていうのは、例えて言えば船に似てて、急に止まれない。どばっと消すことができない。1000℃近くになっている。中の容量も結構な量になるから、急激に冷やして止めると爆発してしまう。水蒸気爆発を起こしてしまう。そっちのほうが大問題なので……まあ、どっちにしろ大問題なんだけどね。昔に比べると今どきの設計っていうのは良くなってきてるから、例えば集塵機能にしてもバグフィルターと電気集塵機と二本立てにしてるというような設計になっているらしいんだけど。


・ただね、そこでまた問題があるのは、焼却炉というのはひじょうに寿命が短いんですよ。私が勤めていたところは二十年使わなかった。使えないの。もたないんだ。年に一回とか半年に一回とか炉の内壁材、要はレンガの積み替えとかやるんだけど、定期的にやってても全体的にやっぱりガタが来ちゃうんだね。なんで外側はびっとしてても、もう使えませんというのはある。で、そこでどういう問題が起きてくるかって言うと、外見はびっとしてるんだけど、実はあちこちがたがきていて、たとえばガスが漏れているとか、焼却灰を貯めておくピットが躯体がヒビ入っていて実は水が流出してましたとか、そういうことはある。




 バイパス解放は原子炉のベントみたいなもので、緊急時にしか開放しないようなのですが、そんな構造がつくられていて「まれに」とはいえ開放しているということは頭の隅にいれておいたほうがいいかもしれませんね。


 放射能以前に、既存の焼却炉はいろいろと問題があったみたいですね。さらに震災以後は放射能の問題がのしかかってくるということのよう。頭の痛い問題です。

ガレキ | comment(0) |


| TOP |

閲覧者数:

カテゴリ

リンク

このブログをリンクに追加する

最新記事

プロフィール

Blade1024

Author:Blade1024

最新コメント

月別アーカイブ

検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。