原発被災地の真実// ~The Silence of the Lambs~
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2012/04/06 10:28
避難の実態

今回はJapan Business Pressから「避難」の実態に関する特集記事を紹介する。

1.原発事故の避難訓練はあったのか

2.信じてはいけなかった「国を信じてください」の言葉

3.まるで「演劇」だった原発立地自治体の避難訓練


上記3つの検証記事から、現地での「避難の実態」が明らかになってきた。

(1)国は、原発を中心に8~10キロの円(EPZ=計画的避難地域)の内側しか避難の想定をしていなかった。

(2)つまり10キロを超えて放射性物質が広がることを予測していなかった。

(3)しかも、避難訓練が行われていたのは原発から3キロ圏内でしかなかった。

(4)上記(3)に該当するのは大熊町(人口約1万1000人)と双葉町(同6400人)である。うち大熊町には国交省がバス70台を送り込み、12日の1回目の水素爆発の約30分前に町民は避難した。

(5)しかし双葉町にはバスは5台しか来なかった。町民はばらばらに自家用車で避難した。最後に残された「双葉厚生病院」の入院患者・職員約300人がバスに乗り込もうとしていたときに1回目の水素爆発が起きた。井戸川克隆町長ほか多数が「断熱材のような」降下物を浴びた。

(6)年1度の訓練も「訓練というより演劇」(双葉町・井戸川町長)でしかなかった。東京とのやり取りのセリフや当日の風向きまで筋書きが前もって決まっている。「電源を喪失したが、バックアップ電源が作動して原子炉は平常に戻る」という設定だった。午前中に始まって昼頃には終わる。

(7)上記(1)に該当する富岡町には、バスなど避難の交通手段の手配はなかった。避難先や距離、方向の指示は国からも県からもなかった。いったん20キロ線ぎりぎり外の川内村に避難したが、そこも危険になり再度埼玉県へ避難した。

(8)この「20キロ」は国が想定していた事故の最大予想値だった。それ以上の拡大を予想していなかった。

(9)飯舘村と南相馬市に至っては、原発災害の当事者になるという予想が村・市にも国や県にもなく、訓練は行われたことがない。計画もなかった。

(10)国には「原発から半径20キロより外側に放射性物質が飛散する」という想定はなかった。つまり20キロラインから外側には何の備えもなかった。

(11)こうした避難の範囲を決める根拠になっている法律は「災害対策基本法」と「原子力災害対策特別措置法」である。「県条例」ではなく、国会の議決が必要な「法律」が決めているということは、原発事故・災害のときは国が指揮をする。指揮系統を一元化し、国が司令塔になることを意味する。つまり責任は県ではなく国にある。

(12)「災害対策基本法」は、火山の噴火や洪水など、自然災害も含んでいる。放射性物質の飛散など原発災害に特化した内容ではない。

(13)一方「原子力災害対策特別措置法」は1999年に起きた茨城県東海村のJCO臨界事故を契機に作られた。逆に言えば「臨界反応」(核分裂反応のこと)が防護壁のないバケツの中で起き2人が死ぬような深刻な事故が起きるまで、日本には原子力災害を想定した法律すらなかった。

(14)「どの範囲の住民を避難させるか」を決めるのは、法律の下の施行規則(細目)である「防災指針」である。この防災指針に「半径8~10キロ」という「円形の避難の範囲」と「キロ数」が出てくる。この「円形」と「数字」を考えるのは原子力安全委員会の仕事だ。

(15)チェルノブイリ事故の経験から、原子力発電所で事故が起きれば「円形の避難」は住民の被曝を防ぐためには無益と分かっていたのに、改善されなかった。


旧重点地域(EPZ 半径10km)
jyuutenchiikizu.jpg

さらに最新記事では、「福島県災害対策本部の責任者」が証言をはじめた。

「放射性物質は煙突から管理されながら出てくるから大丈夫」と言い張った原子力保安院

以下に要点を書き出す。

(1)想定では半径10キロのゾーン内で災害は起き、避難先もその範囲で完結することになっていた。

(2)したがって10キロゾーン内の住民が避難できる施設は、同じ10キロ内に完璧に確保されていた。

(3)国は「重点地域(EPZ 半径10km)はこれでいい」とし、それ以上のことに予算割り当てをしなかった。

(4)それ以上の防災計画を県が作ったとしても、行動を取る手段も予算もなかった。

(5)実情は全国どこでも同じである。

(6)重点地域(EPZ 半径10km)の想定に対し見直しを何回も指摘したが、保安院は「絶対ない」とはねつけた。

(7)「3~5キロの避難シナリオ」でさえ、さんざん交渉し無理矢理出させた想定だった。

(8)それでも「放射性物質は煙突から管理されながら出てくるから大丈夫だ」と保安院は言い張っていた。


福島県も「重点地域(EPZ)の範囲想定」以外は完璧とも言える「防災対策計画」がありながら、「絵に描いた餅」だったようだ。

(参考資料)
福島県地域防災計画原子力災害対策編の概要

福島県地域防災計画原子力災害対策編(平成21年度修正:PDF形式 799KB)
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